性病のチェック

Venereal disease

性病は、性的接触によって伝染する疾患のことを言います。

主な性感染症には、淋菌、クラミジア感染症、トリコモナス膣炎、梅毒、ヘルペス感染症、HIV感染症などがあります。

これらの病気は、性的接触(性器同士の摩擦、口唇接触、肛門性交など)を通じて伝播する場合があります。また、母体から胎児に感染することもあります。

性病(性感染症)は、初期段階では症状が出ない場合もあります。しかし、放置すると深刻な健康被害をもたらすとともに、多くの人へ感染させてしまう可能性もありますので、早期発見と治療が非常に重要です。

性病

性病かも?チェックしたい項目

  • 痛みや痒み、腫れ、排尿困難などの性器の症状がある
  • 性交後に出血があった
  • 二日以上続く下腹部の痛みや発熱がある
  • 性器周辺に水疱、痛みやかゆみを伴う発疹、またはただれがある
  • おりものの匂いが強くなった

淋菌

発症までの日数:2日~7日

治癒期間:最低1週間

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淋菌の症状

通常の性交渉だけでなくオーラルセックスによっても感染するリスクが高い性病です。

淋菌は、黄緑色のドロッとした“におい”の強いおりものが出たり、不正出血や排尿時の痛みがあることがあります。また女性の場合自覚症状がないこともありますが、放置してしまうと不妊症につながったり、妊娠中の場合胎児へ感染してしまったりする恐れがあります。

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治療方法

点滴治療、ロセフィンという注射で治療していきます。その後再検査で陰性になりましたら完治です。

クラミジア感染症

発症までの日数:数日~2週間

治癒期間:最低1週間

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クラミジアの症状

クラミジア感染症は、性器、肛門、喉頭、または目に感染することがあります。

症状としては、おりものの増加、腹痛(下腹部)、または尿道の不快感などがあります。症状は比較的軽度のことが多いですが、感染に気付かず放置してしまうと、子宮などに感染し、不妊症になってしまう可能性があります。検査は淋菌と同様にPCR検査、抗原検査で判定します。

クラミジア感染症
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治療方法

クラミジア感染症の治療には、1日~1週間程度抗生物質の服用を行う、もしくは点滴治療を行います。その後再検査で菌が消滅しているかどうか確認を行います。クラミジア感染症は適切な治療を行えば再発を防止できる感染症です。しかし、再感染してしまう可能性はありますので、予防をしっかり行いましょう。

トリコモナス膣炎

発症までの日数:数日~2週間

治癒期間:最低1週間~2週間

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トリコモナス膣炎の症状

トリコモナス膣炎の症状としては、匂いの強いおりものが出る、黄緑色の泡状のおりものが出る、かゆみ・痛みがあるなど。また、尿道炎や尿路感染症の症状が現れることもあります。トリコモナスは、性行為以外にも、トイレの便座やお風呂、湿っている衣服などから感染する恐れもあります。放置してしまうと、卵管の方まで感染し、不妊症や早産・流産につながる恐れがあります。

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治療方法

トリコモナス膣炎には、フラジールを用いて治療を行います。フラジールには、内服薬と膣錠があり、それを10日ほど使用します。その後、再検査でトリコモナス原虫が消滅していか確認します。パートナーにも感染の疑いがある場合は一緒に治療を受けてもらいましょう。

性器ヘルペス

発症までの日数:3日~1週間程度

治癒期間:症状により異なります

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性器ヘルペスの症状

性器ヘルペスの症状には、膣や陰茎、肛門周辺に痛みやかゆみが現れ、外陰部は小さな水泡ができたり、口内炎のような潰瘍ができて、歩行も困難なほど痛くなることもあります。

初感染では症状が強く出ますが、ヘルペスウィルスは治癒しても体の中に潜んでいますので、体調を崩したり疲労などで再発することがしばしばです。(性器ヘルペスの再感染) 何度も繰り返したり、毎月のように発症する人もいます。

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治療方法

内服薬や塗り薬の使用で治療を進めていきます。性器ヘルペスの治療は、菌を消滅させるものではなく、菌の働きを抑制させるものです。そのため、発症してからなるべく早い段階で治療を開始し、菌の増殖を防ぐことが重要です。

免疫力が低下していたりして毎月のようにヘルペスの症状が出る患者さんには、抗ウィルス剤を毎日飲むことにより発症を防ぐこともできます。

繰り返して性器ヘルペスになる方には、毎日お薬を飲んで発症を防ぐ方法と、PIT療法と言ってあらかじめ症状が出た時のために事前に手持ちのアメナリーフ® を飲んでひどくならないようにできるようになりました。

梅毒

発症までの日数:3週間~3か月

治癒期間:1か月~3か月

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梅毒の症状

梅毒は、トレポネーマと呼ばれる細菌が原因の性感染症で、皮膚や粘膜から感染します。

梅毒の症状には3つの段階に分かれているという特徴があります。初期段階では症状が出ないことがありますが、次の段階では唇や性器に発疹や口内炎ができたりリンパ節の腫れが見られたりします。その後、手のひらや足の裏、身体全体に発疹が広がっていきます。

梅毒は、感染した人とたった1回のセックス、オーラルセックスでも30%以上の確率で感染するといわれています。

梅毒
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治療方法

梅毒は少し前までは不治の病と言われていましたが、放置したり、治療があまりにも遅れたりしない限り、現在は完治させることが可能です。

治療には、ペニシリンという抗生物質によって治療を行っていきます。2週間から12週間ほど服用していただきます。

途中で中断してしまうと再発してしまう恐れがありますので、しっかりと最後まで治療を行いましょう。

尖圭コンジローマ

治癒期間:4週間~8週間

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尖圭コンジローマの症状

外陰部の肛門近くに痛みのない小さいいぼのようなものがあって気付くようです。

その他外陰、膣粘膜や尿道口近くにできものが複数できることもあります。原因はヒトパピローマウィルス感染です。ほっておくと外陰全体が小さないぼだらけになります。梅毒との鑑別も必要です。

診断は主に視診で診断します。

尖圭コンジローマ
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尖圭コンジローマの治療

局所麻酔下で切除、焼却したり、ベセルナクリームを塗って治療することもあります。

ベセルナクリーム治療は4-8週間必要な場合もあります。

HIV・AIDS感染症

発症までの日数:3か月~数年

治癒期間:数日~数週間

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症状

AIDS(後天性免疫不全症候群)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染し、免疫力が低下した状態を指します。症状としては、発熱などインフルエンザのような症状を発症します。通常数週間で症状が治まります。その後、症状がない状態の無症候性キャリアという期間が5年~10年ほど続きます。重症化すると死に至る可能性もあるため、注意が必要です。

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治療方法

HIVは感染してしまうと、菌を消滅させることができない感染症です。治療では、菌の量を抑え、免疫機能を回復することで、症状を抑えることを目的としています。

抗HIV薬を服用して発症を抑えていきます。

HIV感染症やAIDS感染症は、現在完治ができず、予防ワクチン等もありません。そのため、できるかぎり感染しないように日々の予防が重要になります。

検査の料金について

性病の検査費用には、保険が適用される場合と自費診療の場合があります。保険の適用は、状況によってできる、できないが決まります。

医師が、患者さんの症状から性病感染を疑い検査が必要と判断した場合に保険適用となります。

症状がなかったり、その他の場合は自費検査になりますのでご了承ください。

性器の性病検査

(全て税込み)

フルセット 9,000円 (クラミジア/淋菌/トリコモナス含む)
クラミジアか淋菌どちらか1つの場合 PCR法 3,000円 ラピッド法 3,500円 培養検査(トリコモナス,真菌など)3,500円
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PCR検査

結果は5-7日かかりますが正確です。

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ラピッド法(抗原検査)

30分ほどで結果出ますが偽陰性と言って実際は陽性であるが陰性と結果が出ることがあります。

時間に余裕のある方は正確なPCR法をお勧めします。

咽頭“のど”のクラミジア/淋菌 検査

フルセット 5,500円(税込み)
クラミジアか淋菌どちらか1つの場合 3,000円(税込み)

血液 感染症セット(梅毒エイズなど)/ 単品でも検査できます

B型C型肝炎+梅毒+エイズ 9,000円(税込み)

ブライダルチェックについて

ブライダルチェックとは、結婚や妊娠前の準備として、パートナー同士の健康状態を把握することを目的としています。妊娠や出産の際に、胎児へ悪影響を及ぼす病気にかっていないのか検査をします。万が一病気の感染が発覚しても、事前に治療することで安心して妊娠・出産に挑むことができます。

当院の理事長コラムにて、ブライダルチェックについての詳細を記載しております。

性病の予防方法

性病予防

性病は正しい予防法を行うことで、感染確立を軽減できます。一度感染した場合でも、再感染のリスクはあります。しっかりと予防を行って、繰り返さないようにしましょう。

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正しいコンドームの使用

コンドームは避妊のために使用すると考えている方が多いかと思いますが、性病予防に効果的はアイテムです。

しかし、コンドームでは予防できない性病もあります。例えば性器ヘルペスや梅毒などがあげられます。これらの感染症は、性器だけでなく、口や肛門、も感染することがあるためです。さらに、梅毒は菌が皮膚や粘膜の傷から感染する恐れもあるため、コンドームでカバーできない可能性もあります。

正しいコンドームの使用
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性行為を制限する

不特定多数のセックスパートナーを持つことは、性病感染のリスクを増加させます。パートナーを制限することは、感染リスクを減らすために役立ちます。ただし、制限することで完全に予防できるわけではありませんので、その他の予防対策もしっかりと行いましょう。

男性と女性の手
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パートナーの健康状態を確認する

パートナーの健康状態を確認するためには、まずパートナーとオープンに話し合うことが必要です。感染症の症状がある場合、パートナーに伝えることが重要です。また、パートナーが感染している可能性がある場合は、医師へ相談し、検査や治療を受けることが重要です。

カップル
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定期的な検査

パートナーの健康状態を確認するためには、まずパートナーとオープンに話し合うことが必要です。感染症の症状がある場合、パートナーに伝えることが重要です。また、パートナーが感染している可能性がある場合は、医師へ相談し、検査や治療を受けることが重要です。

性病は、自覚症状が現れない方が多くいらっしゃいます。自覚症状がない場合でも、定期的な検診を受けることによって感染症の早期発見や感染予防につながります。また、万が一発症してしまったら、検査を受けましょう。性病は自然治癒することはありませんので、感染の疑いがある方はしっかりと治療を行いましょう。

定期的な検診